⚠️この記事はネタバレ記事です。公演に参加されていない方はすぐにこのページを離れていただくようお願いします。
この度は、NazoGram公演『DisPlay』にご参加頂き、誠にありがとうございます!
今回、メイン制作を行いました。しろくまです。
解説と裏話を書いていこうと思います。
この記事では、本公演ができたきっかけや制作の裏側をお伝えできればと思います。🙌🙌
ネタバレを大量に含んでいますので第三者への受け渡しや流出は絶対にやらないでくださいね!🙇🏻
……と、その前にアンケートは答えていただけましたか??
皆さまからの貴重なご意見を参考により面白いコンテンツを制作して参りますので、ぜひ答えていただけると嬉しいです!!
それではスタート↓↓↓
制作のきっかけ
最初はさっしー&しろくまの2人で案を出しながら作っていました。
2022年の11月ごろから"NazoGram感"や"プログラムによる新しい体験"をテーマに案を出し始めました。
YES→53人というネタがクイズメモにあったので、実際にひっくりかえせたらいいなぁ…とさっしーに相談。
ひっくり返せそう!
と肯定的な返事をいただいたので他の問題も考えていきました。謎制作より全体の構成の方が大変な公演でしたね。答えになる制約が厳しい…!!
個人的にはうまく圧縮できたと思います。3つの解答枠で12個の問題が解けるの、良いーーーーー。
実際の世界で動かしたものが画面の中でも動いている。そんな状況作れたら最高じゃないですか???
プログラム長のさっしーが作れるといってくれました、天才。
実はこの公演、最初は11問目の”53人の問題”で終わりだったんですよ...
回す話は出てたけど実装難しそうだな~~って流れちゃって.....
ただ、その後
回せそう!!!
ってさっしーが声を上げてくれたので急遽色々作り直して12問目を作りました。最高の大謎。
ちなみに、今回の公演のタイトル『DisPlay』に込められた意味、皆さんお気づきでしょうか??
一つ目は、今回の主役である画面を指す「Display」。
もう一つは、否定の意味を持つ接頭辞「Dis」+ゲームをする「Play」の「Dis-Play」つまり「プレイできなくなる」という意味です。解答欄が出なくなったり、このままじゃ進めないので文字を回転させたり、心当たりはあるのではないでしょうか。
Dis-Playの要素もDisplayの要素もちゃんと盛り込めて良い公演名となりました。
良い公演を作るには現状の大謎を上回る大謎を作ればいいんだなと学びました。使えるかわからない良い学びです!!
謎一覧&解説
本公演で使った謎とその解説です。
(7/28) 問題を追加
(8/10) 3,9問目を一部改変
・1問目
最初の問題。 easyからdifficultになるので正解は「YES」。
easyからyes拾えるな~~から作りました。あんまり見たことない謎で最初感出せて良。
・2問目
「オー」を入れるとオーロラ・オープン・オーシャンになるので「O」。2問目なのでシンプルです。
・3問目
部屋を見渡すと当てはまるのはつくえといす(会場によって数が変動していることがあります。)になるので文字拾いをして「X」。
つくえといすから「えつくす」拾えるの良いですね!部屋にあるパネルを示唆&外部屋と内部屋が分かれていることを示せる一石三鳥の謎です。
・4問目
_人人人人人人人_
> 突然の警告 <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^
突然解答欄がなくなります。これから3枠の解答欄しか使えない絶望ーーー。
DisPlayの「Dis-Play」 要素です。
〇にはあ「くま」、「とら」んぷ、てん「さい」とすべて動物が入ってます。「リスク」には「リス」が入っているので〇。
これまでの解答欄は「YES」「O」「X」なので「O」を「O(マル)」として解答。
・5問目
「YES」「O」「X」なので「YES」しかないじゃないか~~!と思ってしまいますが、YESと答えるとこの問題が解けちゃうので正しくありません。
「O」にNを付け加えて「NO」にします。
ここで、すでにある文字の前にも文字を入力できることが分かりましたね。
・6問目
アルファベットの並びから、答えは「NO」。先ほどの解答欄のまま解答すれば....OKではありませんでした。
突然現れる赤&青の枠たち。こいつらがずれていることで謎が成立していないことが問題でした。
この色の枠をどうにかして回転させたいと思っていたあなたたちは、会場内を見渡し、あることに気がついたことでしょう。そう、部屋に入った時からずっと目にしていた、出入り口と立ち入り禁止パネルの枠が同じ色であるということを....
試しにパネルを動かしてみると.......なんと画面内の四角が動いていきます!この公演の最大級の面白ポイント!本当にいいですよねこれ!!!
赤・青のパネルを動かし、パーツを正しい位置に直して解答することで突破できました。
6問目を無事に解答すると、新たなポップアップが登場。さらっと言ってますが結構すごいことやってます。後ほど裏側をお見せしますので楽しみにしててください☺️
・7問目
先ほどの問題が反転しているため、答えも反転します。ということで答えは「ON」。
赤・青の枠を回転させて問題を完成させ、いざ解答!!!!
.....と思いきや、解答欄は「NO」のままです。
と、ここで、解答欄をよく見てみると黄色の枠で囲まれています。
ということは黄色の枠を探せば…!と考え、あたりを探すとスタッフの椅子についていました。スタッフに立ってもらって椅子を回転すると、解答欄も回転し、「ON」として解答することができました。これ以降スタッフは立つことを余儀なくされる。
・8問目
これ以降は赤&青&黄を駆使しつつ問題を解いていきます!
下に合うような形は「フ」なので答えは「プラス」になりそうです。解答方法も「X」を傾けることで「+」になります。
・9問目
左は「よつんばい」のイラスト。「×4」はよんばいと読みます。右は「かばん」と「さい」のイラストなので答えは「×3(さんばい)」です。Eを逆にすると3になるので「EX」を逆にすることで正解でした。
・10問目
下を並び替えると「どうぶつえん」になりそうです。まずは対応するように赤&青を置きましょう。
現在の解答欄は「YES」「NO」「EX」、動物園をZOOと言い換えることで何とかできそうです。
NOにOを足して「NOO」を縦向きにすることで正解でした。
・11問目
元・大謎です。
3人だと「56人」になります。EXを駆使して「○○×3人」という風に答えようとしても成り立たせるのは難しそうです。
ここでこれまでに使っていない「YES」をひっくり返すことで「53人」になることに気づきました。
ただ、52人増えるとどうあがいても56人になります。
ここで皆さんは逆転の発想をする必要がありました。
答えが53人にしかできないなら、この部屋の人数を1人にすればいいと!
ということで、別部屋と言われている外部屋に行き、皆で手をたたくことで53人となり正解することができました。
余談ですが、スタッフに「移動してください。」と言うと「ディスプレイを見守る役割があるので…」と言われます。プレイヤーを絶対外に出させます。
・12問目 (最終問題)
ついにやってきました、最終問題。大謎です。
中央の答えるべき場所の線が上側に引かれていることや、上下に「up」「down」が当てはまりそうなことから1つ推測ができます。
上下が逆になっている、と。
試しに上下逆にして解くと、「EXIT」という答えが出ます。最終問題にふさわしい答えですね。
ただ、この状態では問題が成り立っていませんので、正解とはなりません。
問題を成り立たせるためには、この問題を回転させる必要がありそうです。
回転する条件は「NazoGramマークがついた四角い枠を回転させると、その色に対応する別のものが回転する」でしたので、問題の枠の色と同じ色のNazoGramマークがついた四角い枠を探して回転させれば良さそうです。
ところが、この問題、そもそも回転に対応してそうな枠がありませんでした。では一体、どうやって回転させれば良かったのでしょうか...........?
ここで皆さんはあることに気がつく必要がありました。
そう、ディスプレイごと回転させれば、問題も回転し、答えが「EXIT」になる問題として成立させられるのではないか、と。
ディスプレイを見ると、枠の色は黒色でした。では、ディスプレイと同じ黒色の枠のものはなかったでしょうか…??
今いる部屋を探索してみてもそんな枠はありませんでした。
しかし皆さんは、部屋に入るときや1問前の「53人」を答えるときに目にしたはずです。
こちら、外部屋にあったホワイトボードは、黒色の枠で囲まれていました!右下にNazoGramのマークも描かれていますね。
これを回転させるとディスプレイも回転し、無事「EXIT」と答えることができました!!!
これも余談ですが、こちらのホワイトボードのデザインはYAMASAが描いてくれました。『DisPlay』のメインビジュアルのガビガビなデザイン(グリッジ)を見事に再現してくれました!!
私が作りました(生産者の顔)
東京再演では、一仙が描いてくれました。
やれば、できる!
以上が解説となります!!!
解答欄の変化まとめ(左から①②③の順)
①YES→53人
②O→O(丸)→NO→NO→ON→ZOO
③X→+→EX→EXIT
『DisPlay』の裏側大公開
スタッフ視点
裏ではこんなことをしていました。こんな画面になっていて、色々と設定できるようになっています!
画面に赤字で表示されているプレイヤーの解答を見て(解答欄を回転させると画面内でもリアルタイムで回転しています)手をたたいた時に正誤判定をしたり、最終問題のディスプレイを回すように指示させたりと手動でやっている場所が丸見えですね。
万が一不具合が起こったとき用に、タイマーを指定・問題切り替え・赤青黄の回転なども手動でできるようになっています。この記事は公演を開催する前に書いているので、このあたりの機能が本番使われないように祈っています……。
大阪最宴祭では、何度かお世話になってしまいました....
今回こそは使われないことを祈るばかりです。
使った機材たち
内訳をざーっと書くと
・マイコン×4
・センサー×4
・モーター
・スタッフ椅子
・パネルの箱×2
・ホワイトボード
・ディスプレイ
・タブレット
画面上の赤・青・黄の四角を回転させるのにマイコンとセンサを使ったり、ディスプレイを回すのにモーターを使ったりとたくさんの機材を使っています。Nazo&ProgramのNazoGramらしい公演で良いですね~!!
皆さんが動かした箱の中は、こんな感じになってました。
処理が知りたいですか??では、開発担当・さっしーの登場です!!
このESP32というマイクロコンピュータにMPU6050というセンサーを付けます。これに対してGPIOというピンで角速度と加速度をxyz三軸で取得できるのでこれにより角速度が測れます。これをマドグウィックフィルタというのを用いて角度に変換します。そこからMQTTと呼ばれるIoTデバイスの双方向通信によりコンピュータに値を送って............................
Displayを!!!回そう!!!!
~誰でもできるDisPlayの回し方講座~
①DIYをしよう!
②プログラムをしよう!!
③回そう!!!
①DIYをしよう!
どこの”誤”家庭にもある謎解き公演制作に必要な工具たちですね!!(?)
サーボモーターという器具を使いました。先端がぐ~っと回るやつです。先端が回るとディスプレイも回るようにセッティングします。完成したのがこちら↓↓
②プログラムをしよう!!
プログラムを書きます。実は黒枠のホワイトボードには回転センサーをつけていないので、ディスプレイの回転は外部屋のスタッフが手動でやってます。
ホワイトボードをどれだけ回してもディスプレイが180度しか回らないじゃん!!って声があるかもしれませんが、ぐるぐる回っちゃうとコードが絡まって崩壊しちゃいます…
スタッフがスマホでボタンを押すとトルクが回るように設定。
処理が知りたいですか??しょうがないですね、さっしーーーーー
MQTTで角度を送(以下略。
③回そう!!!
ここまでくればいよいよ回すだけです。いざ!回すぜっ!!
……はい、ちゃんと動いてくれませんでした。トルク(回転させるパワー)が弱すぎるのが原因でしたね。
20kgトルクでダメだったので60kgトルクのサーボモーターを購入!!再チャレンジ!!!
回った!!!!!👏👏👏
よかった!!!!!!!🎉🎉🎉
ちなみに初めてちゃんと回ったのは大阪最宴祭の初演1週間前くらいです。あぶない。
大阪最宴祭の後、(約30回転ほどさせたため)モーターがイカれちゃったので再演にあたって買い足したんですが、なんと!買い足した新品モーターで回らなかったんです💦←再演2週間前
かなり焦りましたが、実はこれ、モーターではなく、モーターに電力を供給するバッテリーの方に問題があったんです。バッテリーを新調したら新品モーターはもちろん、大阪最宴祭で使ったモーターも普通に回ったので解決。←再演1週間前
モーターが良くないと思っていたら〜バッテリーの方でした〜 チクショ---------
なんだかんだありましたが、再演が無事に迎えられそうです!
そして、在庫を抱えることになったモーターは、ディスプレイを回す予定のある方にお譲りします(!?!?)
終わりに
以上が『DisPlay』完全解説&裏話となります!!!
公演もこのブログも楽しんでいただけましたでしょうか??
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今回はリアル公演を打った私たちですが、普段は謎解き制作プラットフォームを提供しています!
謎解き好きに向けた沢山のコンテンツが公開されています。
下のNazoGramゲームページへからすぐにプレイできるのでやったことない方はぜひぜひ↓↓
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最後までご覧いただき、ありがとうございました!
それではまた、webコンテンツや次の公演でお会いしましょう!